松本支部

前回の記事
 松本市にある、国指定重要文化財『旧開智学校』の大改修が平成17年に行われました。
『旧開智学校』は、1876年明治9年に洋建築と和建築を取り混ぜた、「疑洋風建築」の様式で作られました。
普段は「教育博物館」として一般に公開されています。
今回の工事は、1964年昭和39年に復元工事がおこなわれて以来約40年ぶりの大改修となります。

内装工事は、山下誠さんが中心となり、松本支部の有志や他支部からの希望者を募り、1月から4月28日まで約四ヶ月間、休日返上で作業を続け無事完成。
作業は既設の紙を剥がし、下地の状態から始まりました。「すのこ」状の下地に厚口の細川紙で骨縛りをしてベタ貼り、さらに二遍袋をしてから鳥の子三号紙で上貼り。使う糊も正麩煮糊が指定されるなど、気の遠くなりそうな作業の繰り返しでしたが、そこは腕の確かな職人集団!無事予定通り終了することができました。

 

 現在の国指定重要文化財『旧開智学校』 2024.4.24 現在

*耐震工事中

  一部 上記同様作業 令和6年5月 実施作業決定。

 

(管理人、現場作業に参加 取材いたします!)*写真投稿の許可が得られましたら掲載いたします。

 


剥がし作業: 40年前に先輩の残した足跡に想いを馳せ、これから始まる作業の重要性をひしひしと感じます。
しかしすごい埃です。

 


 

私が取材に行ったのは、作業も終盤でした。鳥の子を上貼り中。
重ね幅をきれいに揃え、曲らないように貼るのは至難の業。
急激な乾燥を避けることも大切なポイントです。

 


 

糊付けも重要なポイント。クロス用の糊と違い、塗り加減は熟練を要します。
各部屋に有る電灯用の台座。仕上げ貼りをする上で、大きな障害物でした。(5月3日up.)

 


北信支部

刷毛供養
 山之内町湯田中の大悲殿において、恒例の刷毛供養が長野県表具経師内装協会の役員の参列を得て、厳かに執り行われます。
この行事は、北信支部草創期の会員が、お世話になった刷毛を使えなくなったからゴミ箱に処分するのでは、あまりにも忍びないと、当時の善光寺智光上人に「刷毛塚」の揮毫を依頼し、大悲殿の境内に刷毛塚を建立。毎年中秋の名月の頃に「お月見」と銘打って、支部の年中行事として刷毛の炊き上げを兼ねて開催していました。


 現在は、県内の全支部から刷毛を持ち寄り、役員会を兼ねた催しとして定着しました。